キートン将軍(The General) 1926年
バスター・キートン監督作品
ロマンティックコメディの原点にして、アクションヒーローの典型例。
ジャッキー・チェンがキートン映画を元に映画を作っていると公言しているのもなっとくの作品。
チャップリンが豊かな表情で演じるのに対して、キートンは徹底した無表情(stone face)を貫く。
置かれた状況と表情がミスマッチするほど、観客の笑いを誘う。
キャラクター文化の日本では、キャラクターのために物語が作られるけど、
本来は、物語のためのキャラクターであることを痛感させられる2人の天才コメディアン。
あ、ハロルド・ロイドもよろしくw
●私小説=キャラクター小説
私という固有性の具現化。
キャラクターに内面が存在する(擬人化)。
エヴァンゲリヲンの碇シンジや、ふしぎの海のナディアのナディアは、庵野秀明監督の私小説的キャラクターの典型例。
●物語論=キャラクターメイキング
物語論の属性の順列組合せ。
・アバター
観客が感情移入する主人公。(アバター)
観客が感情移入する対象は主人公でなくてもよい。(バディ)
●移行対象=キャラクター商品
子供が大人になる過程で親を捨てる時、必要となる空想の親。(キャラクター商品)
子供が親なしで外界に飛び出すのは危険で勇気が必要となる。
それでも親なしで外界に出たい子供は、移行対象(空想の親)を持つことで、安全と勇気を持ったと勘違いすることができる必需品。
スヌーピーのライナスの毛布
ぼろぼろのテディベア
ガンダム、エヴァなどのロボット(スーツ)
ドラえもん、ポケモン、妖怪ウォッチなどの打出の小槌(代替)
*テッドは、大人になっても移行対象を必要としてしまう現代の大人の物語。
・宮崎駿監督作品における移行対象
そばに居るだけで、直接は何もしない。
理想の親のように見えるが、宮崎駿監督同様、暴走してしまうw
王蟲(境界守)
テト
ジジ
トトロ(死神)
猫バス(あの世への道先案内人)
ヤックル
白いオオカミ
カオナシ(境界守)
*モンスターズインクのサリーは、ディズニーキャラクターと宮崎駿キャラクターの融合。
・世界中で語られる老人になる物語も移行対象の一つ。
老人になるとは成人式のこと。
老人になるとは自信を失うこと。
つまり、大人になるとは自信を失うこと。
自信を取り戻せば子供に戻れる。
子供に戻ることは、決して間違ったことではない。
老人への変化(浦島太郎、ハウルの動く城のソフィー)
獣などの皮を被る(ダースベイダー、もののけ姫)
名前の変更(戦国武将、千と千尋)
人格変更(これが難しい。ガンダムSEEDのキラの人格変更は観客に違和感を与える)
*メタルギアのビッグボスの人格変更が観客に違和感を与えないようにするため、長丁場になっている。
*ダースベイダーも同様。
日本でキャラクター文化が根深い理由は、子供を猫かわいがりする仏教文化と、老人が青年に自分と同じ苦しみ(憎しみ)を与える儒教文化のギャップが激しすぎるため。
幸せな子供時代(仏教文化)に戻りたいが、それを許さない社会(儒教文化)の中で、キャラクター商品(移行対象)に子供還りを求めてしまう。
本来、子供還りは、自信を取り戻すことで実現されるべき。
ちなみに、
ビジネスで成果をあげるには、失敗を繰り返すことでノウハウを蓄積すること。
ビジネスで人材を育成するには、成功経験を繰り返すことで自信を蓄積すること。
部下が育たないとお嘆きの上司のみなさん、部下がどのような成功経験を得ることができるか考えましょう。
儒教文化に反するけどね。w