M 1931年
フリッツ・ラング監督作品
https://ja.wikipedia.org/wiki/M_(1931%E5%B9%B4%E3%81%AE%E6%98%A0%E7%94%BB)
ドイツ表現主義の代表作にしてサイコスリラーであり実話モノ。
今の日本も抱える、切実な問題をテーマにしていて、容疑者室井慎次の元ネタ。
色のない光と闇の世界のなかで、目に見えない恐怖、怒り、憎悪を、誇張して目に見える映像で表現している。
円形のモチーフを多数登場させていて、その円形のモチーフが持つ意味を考えながら観ると、狂気に多様な意味を見いだせる。
映画もゲームもアニメも総合芸術。
映像、音、物語、演技、美術、衣装、メイク、そしてゲームではゲーム性、操作性、コミュニケーションが詰め込まれている。
物語を追いかけるだけが映画、アニメ、ゲームではないと実感させてくれる作品。
またMでは、1人の登場人物のセリフを、他の場所にいる別の登場人物がそのまま引き継ぐ演出が当時画期的だった。
●テーマは主題
具体性から超越したメタで書かれ、抽象度が高い。
●モチーフはテーマを描くために用いられる具体的条件や状況設定
多くの物語に共通する要素、「影」、「アニマ」、「老賢者」、「魔法使い」、「隠遁者」、「誘惑する女」、「三角関係」、「心中」、「自己犠牲」などで、
アールネ・トンプソンのタイプ・インデックスでまとめられている。
感情表現を中心とする手法であって、印象派の外面的な特徴(光や空気の変化)を描く手法とは真逆。
ドイツ人のフランス(印象派)への対抗意識がうかがえるw