大いなる幻影(La Grande Illusion) 1937年
ジャン・ルノワール監督作品
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E3%81%84%E3%81%AA%E3%82%8B%E5%B9%BB%E5%BD%B1
戦争映画には2種類ある。
・戦争をリアルに、戦争そのものを描く。
・戦争はあくまで舞台、舞台の中で人間関係や心の葛藤を描く。
捕虜収容所が2か所登場する理由は、2人の主役の舞台を用意するため。
・孤独を知らない平民
・貴族の終わりを予感する特権階級
孤独を知った平民が繋がろうとする姿と、貴族の終わりを確信した特権階級の散り際を美しく描いている。
安全で快適で階級のない、大いなる正午(ニーチェ)を思わせる捕虜収容所から、なぜ脱走をするのか?
脱走の先にある戦争の続きを知っていながらも、追いかける大いなる幻影は何なのか?
これぞフランス映画といった作品、っていうか、画家ルノアールの息子ってすごいw
●長回し
1ショットをカットせず、カメラを回し続ける。
長回しによって詩的リアリズムを表現することができる。
劇場版パトレイバー2作目の荒川の長台詞や、うる星やつらビューティフル・ドリーマーのメガネの長台詞も、ある意味、詩的リアリズムにのっとった長回しと言える。
綿密な構成と、パンとズームによる滑らかな動き、長回しに耐えうる詩的リアリズムがないと成立しない、高度な撮影技法なので、なかなか真似できないw