レベッカ(Rebecca) 1940年

アルフレッド・ヒッチコック監督作品 

レベッカ [DVD]

レベッカ [DVD]

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%83%E3%82%AB_(%E6%98%A0%E7%94%BB)

 

巨匠ヒッチコック渡米後初の監督作品。

一度も登場しないレベッカに全ての人間が翻弄される、驚異のサスペンス作品。


・サプライズ:爆弾が爆発する。

・サスペンス:テーブルの下に爆弾が仕掛けられる様子を観客が見る。
       テーブルで食事をする2人。
       観客の緊張感は持続する。


ヒッチコック曰く「サプライズは一瞬だが、サスペンスは持続する。ゆえに、サスペンスが優れる。」

 

●推理とサスペンス

 刑事ものには2種類の物語の構造がある。

 ・ミステリー
  刑事も観客も犯人がわからない状態で、謎を解き明かしていく。
  観客も推理に参加するため、物語に引き込みやすい。

 ・サスペンス
  観客に犯人の正体を先にバラす。
  犯人の犯行を冒頭で見せる演出が良く見られる。

  刑事は犯人を心理的に追い詰めるストーリーが多く、刑事コロンボ古畑任三郎デスノートなどが挙げられる。


 踊る大捜査線の元ネタがパトレイバーなのは良く知られているけど、踊る大捜査線にサスペンスがないのは不思議。

 

機動警察パトレイバー the movie 1989年 押井守監督作品 

EMOTION the Best 機動警察パトレイバー 劇場版 [DVD]

EMOTION the Best 機動警察パトレイバー 劇場版 [DVD]

 

 サスペンス作品。

 観客に犯人の正体を先にバラし、刑事が犯人を追い詰めていく・・・・と思いきや、冒頭で犯人は自殺する。

 自殺した犯人を、自殺していると知りながら追い続ける刑事と廃墟。
 まったく証拠のない中、刑事のカンだけで荒事へと突入する後半はお見事。

 パソコンという言葉が出始めた時代、インターネットという言葉がなかった時代に、これだけの作品が作れてしまうとは・・・

 これを見たアニメファン全員が「てめぇ押井、やればできんじゃねえか(゚Д゚)ゴルァ」と突っ込んだ伝説の名作。

 

機動警察パトレイバー the movie 2 1993年 押井守監督作品 

機動警察パトレイバー2 the Movie [Blu-ray]

機動警察パトレイバー2 the Movie [Blu-ray]

 

   サスペンス作品。

 観客に犯人の正体を先にバラし、刑事が犯人を追いつめていく・・・・と思いきや、犯人がラストのカットまで全く出てこない。

 虚構の都市東京で、虚構の戦争が繰り広げられる。
 ただ1つ、ミサイルで爆破されたベイブリッジだけは、紛れもない現実だということを除いて。


 「この街はね、リアルな戦争には狭すぎる 戦争はいつだって非現実的なもんさ。戦争が現実的であったことなど、ただの一度もありゃしないよ」


 安全保障を取り巻く環境が激変している今、見たい作品。

 

WXIII 機動警察パトレイバー 2002年 高山文彦監督作品 

WXIII 機動警察パトレイバー [Blu-ray]

WXIII 機動警察パトレイバー [Blu-ray]

 

 サスペンス作品。

 観客に犯人の正体を先にバラし、刑事が犯人を追いつめていく・・・・と思いきや、刑事は容疑者のことを信じ、この人だけは犯人じゃないと願っている。

 犯人ではないと信じながらも、次第に容疑者へと真相が違づいていく。
 そして、容疑者を信じていた刑事が、この容疑者が犯人だと確信した瞬間の映像のスゴミは、刑事の絶望と使命を感じさせてくれる。


 劇場版パトレイバー3作品に共通する点は、サスペンスであり、証拠がない中で刑事のカンを頼りに行動していること。

 

エヴァンゲリヲン新劇場版 破 2009年 庵野秀明監督作品 

 サスペンス作品。

 観客が既にエヴァのストーリーを知っているからこそ実現できた作品。

 観客はこの先に起こる惨劇を知っている中、惨劇に向けてジワリジワリと物語が進行していく。
 アスカらしからぬ言動や、レイらしからぬ味噌汁パーティーwなど、観客の緊張感を高める演出をこれでもかとぶち込んでくる。


 男の戦いとは、父親対息子の戦い。


 惨劇の後、これまで周りに流されてエヴァに乗っていた息子が、はっきりと父親に向き合い、父親からの代行依頼を拒否する。
 しかし、その直後、あっさりとエヴァに乗る決心をする息子。

 「僕は、僕はエヴァンゲリヲン初号機(ルシファー)のパイロット。碇シンジです!」

 父親から息子への代行依頼が承認され、はじめて物語は始まる。


 これを見たアニメファン全員が「てめぇ庵野、やればできんじゃねえか(゚Д゚)ゴルァ」と突っ込んだ納得の作品。