カサブランカ(Casablanca) 1942年

マイケル・カーティス監督作品 

カサブランカ [Blu-ray]

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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%82%B5%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AB_(%E6%98%A0%E7%94%BB)

恥ずかしいほど有名なセリフ「君の瞳に乾杯」。もちろん間違った翻訳。


原文は「Here's looking at you, kid.」


乾杯には以下のような慣用句があるため、完全に間違ってはいない。

 「here's to you」
 「toast」
 「Here's to your health」
 「Here's to our victory」
 「Here's to your friends」
 「Cheers」
 「Bottoms up」

では、何が間違っているかというと、全て同じ翻訳にしたこと


劇中で何度も使われているところがポイント。


「kid」は相手に呼びかけるとき年齢に関係なく使う。
boy、girl、love、honey、babyなども同様。

ただの知人にこれをつかうと、バカにされていると思われてしまうので要注意。

あえてkidを使うことで2人の親密さを表現していて、周囲に関係性がばれてしまうように使っている。


「Look at you」は以下の通り、

 「何だその態度」
 「どう見ても」
 「すぐにいきなり」
 「考えようによっては」
 「見違えるようだ」


使われる度に意味が違っていることに注目しながら見ると、より心情の変化がよくわかる。

 

●字幕

 字幕は日本にしかない文化ではないけれど、あまりに無理があるので海外では少数派。


 福沢諭吉夏目漱石らによって、海外の新しい思想やスキルに対応した日本語が創作されている。
 これが、日本人の英語苦手につながっていくのだけど、それほど英語なしに、海外の文献を読むことができる。

 *市場規模が小さく、吹き替えでは採算が取れない国では、字幕を採用。
 *発展途上国では、対応する母国語がないため、字幕も吹き替えもない場合が多い。

 

 日本語は多くの意味を少ない語彙で表現できるため、識字率の高い日本では、字幕が定着して言った。

 *戦前、アメリカ在住の日本人は広島出身者が多かったらしく、広島弁吹き替えの映画が出回ったらしいw


 それほど、日本語が優秀だったということだけれども、字幕ルールに収めるため、超訳が多すぎる。


 字幕ルール

  ・1秒4文字
  ・1行13文字の2行まで


 21世紀に入って、アメリカの文化戦略によって吹き替え上映を全世界で強引に推進しているけど、字幕なしでみるか、日本の優秀な声優による、吹き替え版で見るのが一番。

 

プロパガンダ映画

 残念だけど、映画とは切っても切り離せない。
 予算が潤沢なため、名作が多いのも残念だけど事実。

 特に、でっかい島国アメリカの、自国民の戦争への無関心をなんとかしようと、数多く作られた。

 *カサブランカのように、メロドラマに結びつけて娯楽的につくられたものが、アメリカには多い。