波止場(On the Waterfront) 1954年

エリア・カザン監督作品 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%A2%E6%AD%A2%E5%A0%B4_(%E6%98%A0%E7%94%BB)

ドラマとドキュメンタリーが合わさった、セミドキュメンタリー。

主演マーロン・ブランドといえばメソード・アクティングの代名詞。

腐敗臭が波止場全体を覆っている緊張感。

 

本物の波止場で、本物の港湾労働者(現在は絶滅w)を徹底的に調査し、実際に一部の港湾労働者をエキストラに採用している。

妥協のないリアリズムは俳優からエキストラまで、徹底されている。


俳優の演技こそが映画を決定づけるという流れを作った、社会派作品。

この頃、ヒッチコックらによって、俳優の演技を排除しようとする流れも同時に作られる。


役者の演技を撮るのか?役者で物語を撮るのか?

キャラクター文化の日本は前者が主流。ストーリー文化の欧米は後者が主流。

 

●メソード・アクティング

 映画演技の革命。

 旧ソ連の演劇訓練法スタニスラフスキー方式をアレンジした実践的俳優訓練法。

 インスピレーションだけに頼らず、「体験」によって得られた自らの情動や五感を解放し、演技に結び付ける。

 

●新しい体験は人によって違う

 例)車

 ・運転したことがない人間にとっては、ゲームの車の運転は新しい体験。

 ・運転したことのある人間にとっては、行ったことのない場所での運転や、やってはいけない運転wが新しい体験。

 ・ただ車が走っているだけの映像は、映画やTVでさんざん体験してきた既存の体験。


 例)映画的ゲーム表現

 ・ただ見せるだけのゲームは、映画やTVでさんざん体験してきた既存の体験でしかない。

 ・「映画みたい」は褒め言葉ではないw

 ・映画的ゲーム表現は視覚に訴える表現手法の一つでしかなく、新しい体験ではない。