アパートの鍵貸します(The Apartment) 1960年

ビリー・ワイルダー監督作品 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%88%E3%81%AE%E9%8D%B5%E8%B2%B8%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99

 

ロマンチックコメディと思いきや、ガチの社会派映画。

社会派映画は面白くない、だからこそ、面白く作る工夫が必要になる。

社会派映画の目的は、問題について向き合ったり(最低でも2時間はw)、異なる視点で問題を見てもらったり(最低でも2時間はw)

社会派映画はライトに作ってこそ良く伝わる。


本作で提示される問題は、会社とは何か?

本来、株主が所有監視するべき会社が、マネーゲームによって株主支配が崩れ、経営者支配に陥る。

 

●会社は誰の物?

株式会社は株主のもの

経営者支配の発生
・1930年代アメリカで経営者支配が発生
・1970年代アメリカで株主所有の是非が議論開始

企業統治活動(第一段階)
・株式会社の株主所有へ回帰
・1970年代以降アメリカで活発化

企業統治活動(第二段階)
・企業を株主だけでなく全てのステークホルダーのものへと変化させていく
・1980年代以降のアメリカで活発化

日本の現状は経営者支配から株主所有へと変わりつつある状況で、やがて日本も株主の所有からステークホルダーの所有へと変化していくことになる。

会社の所有者ステークホルダーとは何か?それは
・株主
・従業員
・供給者(仕入先)
・顧客(支払先)
・競争企業
労働組合
・金融機関
・政府
・政党
・外国政府
・経営教育委機関
・裁判所および法的機関
・公共の利害者集団

挙げればきりがないが、つまり社会全体ということ。

これは株主が社会全体の監視者として機能しなくなったことを意味し、株主がマネーゲームの参加者となった結果論。