サウンド・オブ・ミュージック(The Sound of Music) 1965年
ロバート・ワイズ監督作品
サウンド・オブ・ミュージック 製作50周年記念版 ブルーレイ(3枚組) [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2015/05/02
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログ (2件) を見る
来ました、初めて真面目に見た映画。
映画なんてものは、居眠りしながらフワフワ見るものだけど、これはちゃんと見たw
アメリカ人が、マリアの都合のいい自伝を基にして、ブロードウェイミュージカルを作り、そのミュージカルを基にして映画を作ったため、当時のオーストリアの状況とは全く異なるものになってしまった。
当時のオーストリアは、オーストリア・ファシズムとナチスドイツの権力闘争の真っ最中であり、トラップ少佐はファシズム支持者で、艦長として民間商船を潜水艦で攻撃していた。
それが原因で、地元オーストリアでは全くヒットせず、21世紀になって、ようやく再上映されたほど。
日本人に、戦時中のオーストリアのイメージを完全に間違えて認識させた点では、非常に問題のある作品でもあり、プロパガンダ映画が真実を映し出さない好例となっている。
●興行収入
当時の興行収入新記録を樹立したサウンドオブミュージック。
日用品や娯楽産業にとって重要なパートナーが広告代理店。
ジブリが広告代理店を、博報堂と電通の交代制から、博報堂と電通の共同に変えた理由もこの興行主入。
家庭の事情とはいえ、興行収入が10倍ちがうと、ねぇw
●映画料金
先進国では500円~1000円/1人、ロングラン上映になると100円~200円/1人で映画が見れるのに対して、日本は1800円/1人。
単価の高さに目をつけて、アメリカのシネマコンプレックスが日本に大量に作られたのも納得のぼったくり価格w
ハリウッド映画は、アメリカ人に合わせて、かなりバカに作ってあるw
作り手としては、もっと高等な映画が作りたい、でも、難解にするとアメリカ人が理解できない。
そこで、登場するのが日本。
多少難解に作っても、日本人は一生懸命に見てくれる。そんな噂が事実とわかると、初めから日本で公開することを前提にした、作り手の作りたい作品が作られるようになった。
きっかけを作ったのがスティーヴン・スピルバーグの「A.I.」
アメリカ人にとって難解なこの作品は、アメリカ本国でおおこけしたけど、日本で大ヒットしたため、ヒットメーカーであり続けなければならなかったスピルバーグを救った。
これ以降、ハリウッド俳優が日本にプロモーションにやってくるようになった。
当然、日本へのプロモーション活動は事前の契約内容に織り込み済み。
●絶望の壁
90年代。日本映画が斜陽産業となって数十年たち、いまさらアメリカの映画産業を研究し始めた日本。
アメリカの映画館に入った瞬間、派遣された調査員は泣き崩れたそうな。
映画館に入るとすぐ大きな壁があり、扉から入る光が中に入らないように配慮された設計になっていた。
お客様のために何ができるか?
ちょっと考えれば改善できたことすらできていない日本映画に絶望した瞬間だった。
*現在は客席の下脇に扉がある。