十二人の怒れる男(12 Angry Men) 1957年
シドニー・ルメット監督作品
無罪とは、文字通り罪がないという意味で、有罪であることを立証できなかったという意味。
法治国家では、「疑わしきは罰せず」が大原則。
いかなる手段を用いても、免罪を生み出さないことが最優先される。
裁判官、弁護士、検察、法律の専門家が3つも投入されるのもこのため。
各々に生活のある個別の十二人が、密室で議論を交わしあう。
演劇の後に映画がある、その事実からは逃げられず、演劇ではできないことを映画でどうやるかが、大きな課題だった。
ところが、逆に演劇の構図にもどした本作は、演劇から本当の意味で解放された作品となった。
この映画に引き込まれる最初の理由は、12人のうち大半が、早く帰りたいから。
90分の映画を見に来たはいいが、早く帰りたいと感じている人はそう少なくはないはずw
各々に事情を抱えたキャラクターたちが、各々の気持ちを抱えて1つの目標へと向かっていく。
ゲーム、とくにRPGに大きな影響を与えた傑作。
海外ドラマでは必須の物語構造となっているが、きっと彼らもロマンシングサガをやりこんだに違いないw
●台詞
古代ギリシャから続く西洋のレトリック。
「言葉は真理に奉仕してこそ意味がある」
文字通り、ポエムで押し切ろうとした陪審員と、真理を明らかにしようとした陪審員が激突する。
会議でただ声がでかいだけの人間って、良くいるw