2001年宇宙の旅(A Space Odyssey) 1968年

スタンリー・キューブリック監督作品 

2001年宇宙の旅 [Blu-ray]

2001年宇宙の旅 [Blu-ray]

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/2001%E5%B9%B4%E5%AE%87%E5%AE%99%E3%81%AE%E6%97%85

 

ごぞんじ、アーサー・C・クラークと共同で制作されたSF作品。


冒頭の猿のシーンがこの映画のすべてで、以降の話はついでw

猿のシーンと、ついでの話を、あっさりと繋ぐことで、人類の歴史が宇宙にとって一瞬であることを思い知らされる。

ついでの話の中には、軽蔑と増長、失敗を認めたくない心理がまざまざと描かれている。


CGがない時代、いかにして「どうやってとったの?」と思わせることに腐心したか。

キューブリック監督の独創性と、好奇心に、最大の敬意を表する。


今見ても素晴らしい出来のSFX。

近未来を電子音楽ではなく、クラシックで表現したのもさすが。

*宇宙とクラシックの構図はアニメ銀河英雄伝説に、銀河英雄伝説エヴァのクラシックシーンに受け継がれている。


クレジットを見ると、お馴染みのメンツによる、少数精鋭のように見えるけど、巨大なプロジェクトだったそうな。。

美術担当として手塚治虫さんに協力要請したけど断られたキューブリック監督。可哀想w


それにしても、人類を超越した姿がスターチャイルドとは。

マクロコスモスとミクロコスモスの対比を描いたんだと思うんだけど、キューブリック監督は仏教の影響でも受けていた?w

 

●Fly me to the moon 

Fly Me To The Moon (In Other Words) (2007 MIX)

Fly Me To The Moon (In Other Words) (2007 MIX)

 

  後にフランク・シナトラがカバーして大ヒットしたフェイバレット。

 In Other Words(言い換えると) というタイトルで発表したジャズは全くヒットせず、その後、南米から渡ってきたボサノバでアレンジし、タイトルをfly me to the moon(私を月に連れて行って)として大ヒットした。


 1960年代、アメリカはアポロ計画の真っ最中。


 凄惨な戦争が終わり、人々が捻じ曲がったクッキー(相対性理論)とコーヒーを飲みながら、本気で宇宙旅行の話をしていた、そんな時代に聞かれた夢物語。

 

人工知能

 元人工知能研究者としては、ここ数年のブレイクスルーはうれしい限り。

 どうせまた停滞するんだろうけどw研究者のみなさん、頑張ってください。

 *理数学的にではなく、物理的になんとかしないと、人工知能ってどうにもならない。

俺たちに明日はない(Bonnie And Clyde) 1967年

アーサー・ペン監督作品 

俺たちに明日はない [Blu-ray]

俺たちに明日はない [Blu-ray]

 

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アメリカン・ニューシネマの先駆け。

銃に撃たれた人間が死ぬ姿をカット処理なしで撮影したことでも、エポックメイキングとなっている。

オーラルセックスやインポテンツなどの性描写も、直接的ではないにしろ盛り盛り。

通称「死のバレエ」を見るだけでも価値のある作品。

 

●アメリカン・ニューシネマ

 反体制的な若者を描いた映画。

 観客に夢と希望を与えるのではなく、アメリカが抱える矛盾、無気力、人種差別、ドラッグ、暴力が描かれていった。

 スタジオシステムの崩壊と、赤狩りベトナム戦争B級映画、イタリア・ネオリアリズムと、様々な原因から生まれて出た偶然。


 ベトナム戦争終結によってアメリカン・ニューシネマも終焉を迎える。

 以降は、ロッキーのような個人の可能性を描く作品へと移行していく。

 

グランド・セフト・オート(GTA

  直訳すると自動車重窃盗w

 オープンワールドをいかんなく発揮し、どんな犯罪でもできる夢のゲームw


 暴力的なゲームは日本人にうけないと言われ、実際売れなかったけど、GTA5は日本でも大ヒット。

 クオリティが高ければ、日本でも売れることを証明した問題作。


 アサシンクリードアンチャーテッドCall of dutyなど、日本向きではないと思われていたゲームがヒットしたことで、アメリカのゲーム戦略が大きく変化していくことになった。

 

●ドライブインシアター

 巨大な駐車場にスクリーンを配置し、車に乗ったまま映画が鑑賞できる映画上映施設。

 音声は、自動車内にあるラジオで受信する。


 完全に衰退した感があるドライブインシアターだけど、プロジェクター技術の発展で個人でも主催可能。

 *無料なら著作権を意識せず上映できる。

バージニア・ウルフなんかこわくない(Who's Afraid Of Virginia Woolf?) 1966年

マイク・ニコルズ監督作品 

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エリザベス・テイラーうぜぇwww


戯曲を映画で表現するとはどういうことかを知るにはとてもいい作品。

映画史上はじめてfuckを使った作品としても、歴史的価値のある作品になっている。

ただ、それだけのこと。


ただただ、どうしようもない泥酔劇で、放送禁止用語と罵声が飛び交う2時間。

間違っても夜寝る前なんかにみると夢に出てくるw


当時、逃げ場のない映画館で見た観客の皆さん。お祈りメールを心の中で送ります。


ヴァージニア・ウルフなんかこわくない」はアニメ「三匹の子ぶた」の劇中歌「狼なんかこわくない」の替え歌。

「満足な豚」という「タマネギの皮」をむき続けたら、なにも残らなかった。ただ、それだけのこと。


エリザベス・テイラーうぜぇwww

 

●満足な豚より不満足なソクラテス

 ・満足な豚であるより、不満足な人間である方が良い。 同じく、満足な愚者であるより、不満足なソクラテスである方が良い。 そして、その豚もしくは愚者の意見がこれと違えば、それはその者が自分の主張しか出来ないからである。

 ↓翻訳

 ・人間というのは、誰であれ、胸に手を当ててじっくり考えるのなら、低級な快楽と高級な快楽を見分ける動物だ。そして低級な快楽で満足する愚者(豚)になるくらいなら、そのような快楽を拒絶してでも、善き人間(ソクラテス)であることを選ぶ動物だ。もし愚者(豚)が、「そんな風には思わない。低級な快楽でも満足できる」と言うのだとしたら、それはまさに、その者が愚者(豚)だからだ。

 

●戯曲

 舞台上の役者の言動に反応して、他の役者が反応する。

 そんな、連鎖反応をひたすら続け、舞台上実時間の時系列に物語を紡いだのが戯曲。


 プロットがしっかりしていないと、観客を完全に置き去りにする危険性があるため、演技や舞台装置ではなく、設定や物語の構造が問われる。

 名作といわれる戯曲は数が少ない。

 

●プロット(ストーリーライン)

 物語の構造。

 ストーリーの要約であり、いわゆるまとめ。

 出来事の原因と結果からなり、映画のプロットは三幕(始まり→中間→終わり)をターニング・ポイントで紡ぐ。

 ストーリーは前後関係。まちがうと、構造解析できないので、要注意。


 例)プロット

 ①犬が歩けば、棒にあたる。

 ②国王が亡くなった。そして、王妃は悲しみのあまり亡くなった。


 例)ストーリー

 ①'犬が棒にあたる。それから、猫は棒をよけた。

 ②'国王が亡くなった。そして、王妃が亡くなった。

 

●物語のスピードコントロール

 プロットのみでは観客の感情的な共感や動揺は得られない。

 プロットに感情を肉付けしたものがストーリーであって、その肉付けを変えることによって、物語のスピードはコントロールできる。


 物語のスピードをコントロールする必要のない、RPGゲーム(セーブあり)は感情を肉付けし放題。


 心に残る名作が多い理由がここにある。

 *小説はコントロールしないと間延びする。ゲームは総合芸術なので、間延びを満喫できる。好例がDQとFF。

 

シェンムー 

ShenmueII(初回限定版)

ShenmueII(初回限定版)

 

  感情の肉付けだけでなく、ゲーム内世界のすべてに生命(生活)を与えた鈴木裕はやっぱり天才。

 そんなシェンムーは3部作だったけれど、生命(生活)を与えるにはSEGAの財布では不可能だったw

 


 えっぶりどりーむ!かむとぅるううううううううううう!

 全財産もってけ!!超楽しみ!

サウンド・オブ・ミュージック(The Sound of Music) 1965年

ロバート・ワイズ監督作品 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%BB%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%83%E3%82%AF_(%E6%98%A0%E7%94%BB)

 

来ました、初めて真面目に見た映画。

映画なんてものは、居眠りしながらフワフワ見るものだけど、これはちゃんと見たw


アメリカ人が、マリアの都合のいい自伝を基にして、ブロードウェイミュージカルを作り、そのミュージカルを基にして映画を作ったため、当時のオーストリアの状況とは全く異なるものになってしまった。

当時のオーストリアは、オーストリアファシズムナチスドイツの権力闘争の真っ最中であり、トラップ少佐はファシズム支持者で、艦長として民間商船を潜水艦で攻撃していた。

それが原因で、地元オーストリアでは全くヒットせず、21世紀になって、ようやく再上映されたほど。

日本人に、戦時中のオーストリアのイメージを完全に間違えて認識させた点では、非常に問題のある作品でもあり、プロパガンダ映画が真実を映し出さない好例となっている。

 

 

●興行収入

 当時の興行収入新記録を樹立したサウンドオブミュージック。

 日用品や娯楽産業にとって重要なパートナーが広告代理店。

 ジブリが広告代理店を、博報堂電通の交代制から、博報堂電通の共同に変えた理由もこの興行主入。

 家庭の事情とはいえ、興行収入が10倍ちがうと、ねぇw

 

●映画料金

 先進国では500円~1000円/1人、ロングラン上映になると100円~200円/1人で映画が見れるのに対して、日本は1800円/1人。

 単価の高さに目をつけて、アメリカのシネマコンプレックスが日本に大量に作られたのも納得のぼったくり価格w

 ハリウッド映画は、アメリカ人に合わせて、かなりバカに作ってあるw

 作り手としては、もっと高等な映画が作りたい、でも、難解にするとアメリカ人が理解できない。


 そこで、登場するのが日本。


 多少難解に作っても、日本人は一生懸命に見てくれる。そんな噂が事実とわかると、初めから日本で公開することを前提にした、作り手の作りたい作品が作られるようになった。


 きっかけを作ったのがスティーヴン・スピルバーグの「A.I.

 アメリカ人にとって難解なこの作品は、アメリカ本国でおおこけしたけど、日本で大ヒットしたため、ヒットメーカーであり続けなければならなかったスピルバーグを救った。


 これ以降、ハリウッド俳優が日本にプロモーションにやってくるようになった。

 当然、日本へのプロモーション活動は事前の契約内容に織り込み済み。

 

●絶望の壁

 90年代。日本映画が斜陽産業となって数十年たち、いまさらアメリカの映画産業を研究し始めた日本。

 アメリカの映画館に入った瞬間、派遣された調査員は泣き崩れたそうな。


 映画館に入るとすぐ大きな壁があり、扉から入る光が中に入らないように配慮された設計になっていた。


 お客様のために何ができるか?


 ちょっと考えれば改善できたことすらできていない日本映画に絶望した瞬間だった。

 *現在は客席の下脇に扉がある。

博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(Dr.Strangelove:or how I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb) 1964年

スタンリー・キューブリック監督作品 

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陰謀論は誰もが飛びつくアホな理論。

陰謀論を散りばめたブラックユーモアの傑作。


原作は「赤い警報」、原作の理路整然としたアホな陰謀論を見て、コメディーにしてやろうと考えたスタンリー・キューブリック監督はさすがw

冒頭にアメリカ空軍の解説がつくあたりは爆笑www


ピーター・セラ―ズが1人3役をこなしているけど、言われないとわからないあたりがすごいw

完璧主義者だったキューブリックが、アドリブ主義のセラーズに演技の遊びを許し結果うまれた傑作になっている。


これを見た善良な市民の皆さん、軍人に権力を渡しては絶対にいけないw

 

●撮影協力

 映画撮影に協力的なアメリカ陸海空軍。

 さすがに、核搭載の爆撃機の内装は極秘だったため、美術監督が苦心して創作した。

 創作の結果が、あまりにも本物に酷似していたため、これ以降、美術監督及びスタッフはFBIに一生つきまとわれることになるw


 まぁ、キューバ危機の直後にこれ撮影したら、おこられるよねw

 まぁ、上映直前にケネディ大統領暗殺が発生したら、映画の内容も改変させられるよねwww

 

●ブラックユーモア

 笑った後に、背筋が凍る思いをする。残酷さや不気味さを含む。

 

Fallout 

 放射性降下物のこと。

 もしも、近未来冷戦で核戦争が起きていたらという、ifの世界をゲームにした作品。

 とにかく、いかれてるw


 PCゲームWastelandを土台にして作りこまれた、グロのかたまりwww

 近年のFalloutはユーモアのセンスがきらりと光った、いい作品になっている。

 権利問題でもめないでねw

大脱走(The Great Escape) 1963年

ジョン・スタージェス監督作品 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E8%84%B1%E8%B5%B0

 

第二次世界大戦中、ドイツ軍の捕虜になった連合国軍の中に、何度も脱走を成功させる脱走のプロがいたそうな。

脱獄が罪ではなく、正義として描かれた3時間。


スティーブ・マックイーンジェームズ・ガーナーチャールズ・ブロンソンジェームズ・コバーン、ジェームズ・ドナルド、リチャード・アッテンボロー、そして当時まだ無名のデヴィッド・マッカラム

オールスター映画としても有名な本作はのテーマ曲は、大脱走にふさわしい名曲。


映画俳優の栄枯盛衰を垣間見ることができ、最後まで現役で活躍したのはリチャード・アッテンボロー

そう、ジュラシック・パークのあの爺さんw

 
●実話もの

 実話に基づいているとは、全部が全部、ホントじゃないという意味。

 まぁ、細かいことは気にしないw

 

●戦争もの

 ゲーム技術の発達で、戦争ものはゲームで大活躍。

 昔やりこんだDOOMのような物語のないSFものから、Call of DutyBATTLEFIELD など、物語重視の現代戦争ものまで。


 1作品遊ぶと、何週間もかかるけど、決して退屈させないゲームシステム。

 うーん、おみごと。


 日本人曰く「なんでアメリカ人はそんなに戦争がすきなんだ?」

 アメリカ人曰く「なんで日本人はそんなにファンタジーがすきなんだ?」

アラバマ物語(To Kill A Mockingbird) 1962年

ロバート・マリガン監督作品 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%83%90%E3%83%9E%E7%89%A9%E8%AA%9E


アメリカ人の考えるヒーローといえば弁護士アティカス。

人を超えた力ではなく、教育と正義によってブレナイ信念をもつアティカスは、時代を超えて今もなおアメリカンヒーローとして君臨している。


娯楽要素の全くない社会派映画、当時の映画会社がまったく興味を示さなかったのも納得の作品w

娯楽の要素は全くないけど、子供の目線から黒人差別を描いたことで、偏見なく真実を見ることができるようになっている。


子供にとって外の世界は新しい体験だらけ、近所にある謎の家への冒険も、法廷の傍聴も、子供たちにとっては好奇心を満たす大冒険。


大人の目の届くところで遊んでも、まったく面白くないw

 

美術監督

 全編セット撮影。

 アレクサンダー・ゴリツィンとヘンリー・バムステッドが高い評価を受けたこの作品。

 原作者のハーパー・リーはセットを見て、自分の生まれ故郷にあまりにそっくりだったので、驚いたらしい。

 まさに「Mockingbird」

 

●リハーサル

 カメラワークで最も重要なことは、観客にカメラを意識させないこと。

 子役がカメラを意識してしまうと、観客にバレバレになってしまうので、カメラを子役から離したりする。


 リハーサルと偽って撮影することもある。

 虚構の世界を作る仕事は、嘘をつく仕事w

アラビアのロレンス(Lawrence of Arabia) 1962年

デビッド・リーン監督作品 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%83%93%E3%82%A2%E3%81%AE%E3%83%AD%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B9

 

実在のイギリス陸軍将校トマス・エドワード・ロレンスを描いた戦争映画。

マッチを指で消すのが趣味のロレンスが、炎を息で吹き消すと灼熱のアラビアの砂漠が広がる。

砂漠の中で増長し、戦争の中で変わっていく人間を見届ける友人。

 

アラブ人にアラブを与える聖戦は、イギリスとフランスの裏取引で終わりを迎える。


地平線の人影の3分間など、無駄遣いとも思える長い長い時間は、砂漠という広大な土地を連想させる。

 

ロレンスを追い抜く、バイク。

砂漠を走り抜けた記憶を忘れられないロレンスを、せめる人間は誰もいない。

 

アラブとヨーロッパ双方にとって不都合なロレンスが、失意のうちに砂漠を去って行く姿は、まさに現代のアメリカそのもの。

アメリカは砂漠戦の前に、アラビアのロレンスを見るべきだった。

見てたんだよね、きっとw

 

●序曲、休憩、終曲

 冒頭と休憩と終わりの黒画面に音楽が流れているのは、当時の映画では一般的。そうなの?

 DVDが壊れたのかと思ったw

 

●正義

 汚職や腐敗で国が滅ぶことはないが、正義で国が滅ぶことはある。

 食堂で英雄ロレンスに握手を求めた軍人は、病院でロレンスをビンタし、ロレンスの葬式で記者に怒りをぶつけていた人。

 

 誰がイイかではなく、何がイイかで考える。

 誰がワルイかではなく、何がワルイかで考える。

 

 あいつは、生意気で、上から目線で、人間性に問題があるから、あいつのいってることは間違ってる?

 そんな、まぬけな考え方をしないように。試されてますよw

ウエスト・サイド・物語(West Side Story) 1961年

ロバート・ワイズ監督作品 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%89%E7%89%A9%E8%AA%9E_(%E6%98%A0%E7%94%BB)

 

クラシックダンスと、モダンダンスと、ワイド画面を、完璧に使いこなしたダンスミュージカル映画

ラブストーリーは「ロミオとジュリエット」を主題としているけど、根底にあるテーマは移民問題と貧困問題。


青少年の危うさともろさ、夢と不安、惨劇を知らずに心躍る少女。


ヘイトスピーチを繰り返す人間たちにぜひ見せたい。


技術的にはテクニカラーの原色で画面ごと塗りつぶしたり、ぼかしを入れたり、さまざまな実験が取り入れられている。

映画が総合芸術だということを改めて認識させられる作品となっている。

 

●ワイドショット

 ダンス映画で多用される引きの映像。

 ダンスをごまかさず取る必要があるため、演者のダンス力が試される映像手法でもある。

 

●少年とナイフ

 トウジ「妹に、わしは何でもあらへん、と言うといてんか?」

 ヒカリ「うん。」

 

●おやくそく

 使い倒された物語構造だからこそ手は抜けない。

 本作も、おやくそくの予算超過w

アパートの鍵貸します(The Apartment) 1960年

ビリー・ワイルダー監督作品 

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ロマンチックコメディと思いきや、ガチの社会派映画。

社会派映画は面白くない、だからこそ、面白く作る工夫が必要になる。

社会派映画の目的は、問題について向き合ったり(最低でも2時間はw)、異なる視点で問題を見てもらったり(最低でも2時間はw)

社会派映画はライトに作ってこそ良く伝わる。


本作で提示される問題は、会社とは何か?

本来、株主が所有監視するべき会社が、マネーゲームによって株主支配が崩れ、経営者支配に陥る。

 

●会社は誰の物?

株式会社は株主のもの

経営者支配の発生
・1930年代アメリカで経営者支配が発生
・1970年代アメリカで株主所有の是非が議論開始

企業統治活動(第一段階)
・株式会社の株主所有へ回帰
・1970年代以降アメリカで活発化

企業統治活動(第二段階)
・企業を株主だけでなく全てのステークホルダーのものへと変化させていく
・1980年代以降のアメリカで活発化

日本の現状は経営者支配から株主所有へと変わりつつある状況で、やがて日本も株主の所有からステークホルダーの所有へと変化していくことになる。

会社の所有者ステークホルダーとは何か?それは
・株主
・従業員
・供給者(仕入先)
・顧客(支払先)
・競争企業
労働組合
・金融機関
・政府
・政党
・外国政府
・経営教育委機関
・裁判所および法的機関
・公共の利害者集団

挙げればきりがないが、つまり社会全体ということ。

これは株主が社会全体の監視者として機能しなくなったことを意味し、株主がマネーゲームの参加者となった結果論。

サイコ(Psyco) 1960年

アルフレッド・ヒッチコック監督作品 

サイコ [Blu-ray]

サイコ [Blu-ray]

 

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元祖サイコスリラーであり、サスペンス。

有名なシャワーシーンから、誰もが効いたことのある効果音まで。。

 

心の声が聞こえてくるときは、迷いがあるとき?うしろめたいとき?葛藤しているとき?

 

グラサンの警官は明らかに素人くさいけど、グラサンで目を隠すことで、何を見ているかわからない、何を考えているかわからない、素晴らしい緊張感が伝わってくる。

演出が丁寧だからこそ、物語が生きてくる。

役者を見せるのではなく、物語を魅せることにこだわったヒッチコックらしい作品。

 

独裁的な親に支配された子供がどうなるかを描いた作品でもあり、子供は親の所有物ではないと実感させられる。

 

●感情移入

 感情移入の対象は主役だけど、その主役がコロコロと変わったら?

 サイコは3回も主役が変わる不思議な映画、この感情移入の移動を可能にするのがカメラワーク。さすが天才。


 ゲームでいうと「FF7

 うわあああああああああああ、エアリスううううううううううううううううう。

 

●トイレ

 映画の中でトイレが出てくるのはサイコが初めて。そうなの?

 

●鳥

 ヒッチコック映画で鳥が出てくると大きな変化が起こる。そうなの?

 押井守監督作品にも鳥は度々登場する。

 キリスト教において、魚はキリスト、蛇は悪霊(生命の回復)、鳥(ハト)は創造主と被造物の和解つまり平和を意味している。

勝手にしやがれ(A Bout De Souffle) 1959年

ジャン=リュック・ゴダール監督作品 

勝手にしやがれ [Blu-ray]

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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8B%9D%E6%89%8B%E3%81%AB%E3%81%97%E3%82%84%E3%81%8C%E3%82%8C_(%E6%98%A0%E7%94%BB)

 

ヌーヴェル・ヴァーグの波を作り出したゴダールの革命。

ジャンプカットを多用した作品となっている。

多用しすぎで、ちかちかするw


フランス映画らしく恋愛をメイン?にしたよくわからない作品。

フランス人は恋以外に興味はない?


アンチスタジオの流れから発生したヌーヴェル・ヴァーグだけど、今のyoutubeへの自主映画投稿などにも繋がる源流。

そう、映画なんて予算がなくても、才能がなくても、友達がいなくてもw、自由にとれるし、自由に発表していいもの。

 

●ジャンプカット

 映画の基本は編集。

 継ぎ目が見えない編集こそ最も素晴らしいとされている映画で、つぎはぎだらけのジャンプカットはまさに革命。

 ジャンプカットは、同じ構図で、似たような台詞を連呼する時に使うと印象的に描けるし、時間の経過をジャンプカットで表現する方法も有効。


 日本では、なぜか特撮で大活躍w 

 

ヌーヴェル・ヴァーグ

 フランス発のニューウェーブ

 カメラの技術的な発展である、小型化や高感度フィルムなどを利用した撮影をする監督集団。

 特徴はロケーション撮影、同時録音、素人俳優、即興演出、手持ちカメラ、自然光撮影。


 最も大きな特徴は、助監督などの下積みなしで、いきなり監督をやること。イイネ!


 映画の文法をぶちこわすこともしばしば。それでいいw

 

●インディーズ・ゲーム

 「インディーズの逆はメジャーじゃない、退屈だ。」のフレーズでおなじみ、インディーズ・ゲーム。

 
 開発ツールの発達で、低予算での開発も可能になり、個人レベルでもかなりいいものが作れるようになってきた。

 発表の場も、おなじみ「Steam」やコンシューマーでも「PlayStation Indies」などで無料有料問わず公開されている。


 そう、インディーズの逆は退屈!

お熱いのがお好き(Some Like It Hot) 1959年

ビリー・ワイルダー監督作品 

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ぽうっ!

なんじゃ?このコメディーw


後にアメリカのセックスシンボルとなるマリリン・モンロー、のちの作品は露骨なエロだったけど、本作の「雑な女子大生風」ぐらいがちょうどいい。

アメリカで映画を当てるには、異なるジャンルを組み合わせることといわれていた。

いまもそうなのかな?

 

コメディー+ギャング+ラブストーリ<マリリン・モンロー

 

モンロー一人で全部持っていったような気もしないでもないけどw女装の主役もグッジョブ!!

アメリカ人の考えることは分からんw

 

ファイナルファンタジー7 

  海外の人と話していると、今だにFF7の話が出てくる。

 とにかく、いろいろ詰め込めたゲームだったけど、全てが調和していたところがすごかった。

 発売から18年たった今も語り継がれる名作中の名作。

 そんなFF7PS4でフルリメイクされることになった。


 うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお


 モーグリも外人さんも発狂しているw

めまい(Vertigo) 1958年

アルフレッド・ヒッチコック監督作品 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%81%E3%81%BE%E3%81%84_(%E6%98%A0%E7%94%BB)

 

なんだ、ただの天才か。


まさに芸術、まさにエンターテイメント、いや、その両方。

影技術であるめまい効果と、作品のテーマが見事に融合している。


探偵ものと心理劇の融合。

芸術とエンターテイメントの融合。

影技術とテーマの融合。


サスペンスの帝王のなに恥じない、テンポのよさ、レトリック、映像表現。


なんだ、ただの天才か。

 

 

●めまい効果

 ズームインしながらカメラを後方に引くと、被写体のサイズが変わらないのに視野(パースペクティブ)が変わり、観客の目が一時的に混乱し、めまいを起こす。

 

 

GRAVITY DAZE/重力的眩暈:上層への帰還において彼女の内宇宙に生じた摂動 

  PS Vitaのジャイロセンサーを活用した空に落ちるゲーム。

 重力から解放された彼女を操作する感覚は、まさに、めまいにも似た新しい体験。

十二人の怒れる男(12 Angry Men) 1957年

シドニー・ルメット監督作品 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%81%E4%BA%8C%E4%BA%BA%E3%81%AE%E6%80%92%E3%82%8C%E3%82%8B%E7%94%B7

 

無罪とは、文字通り罪がないという意味で、有罪であることを立証できなかったという意味。


法治国家では、「疑わしきは罰せず」が大原則。


いかなる手段を用いても、免罪を生み出さないことが最優先される。

裁判官、弁護士、検察、法律の専門家が3つも投入されるのもこのため。


各々に生活のある個別の十二人が、密室で議論を交わしあう。


演劇の後に映画がある、その事実からは逃げられず、演劇ではできないことを映画でどうやるかが、大きな課題だった。

ところが、逆に演劇の構図にもどした本作は、演劇から本当の意味で解放された作品となった。

 

この映画に引き込まれる最初の理由は、12人のうち大半が、早く帰りたいから。

90分の映画を見に来たはいいが、早く帰りたいと感じている人はそう少なくはないはずw

 

ロマンシングサガ 

  各々に事情を抱えたキャラクターたちが、各々の気持ちを抱えて1つの目標へと向かっていく。

 ゲーム、とくにRPGに大きな影響を与えた傑作。

 海外ドラマでは必須の物語構造となっているが、きっと彼らもロマンシングサガをやりこんだに違いないw

 

 

 

●台詞

 古代ギリシャから続く西洋のレトリック。

 「言葉は真理に奉仕してこそ意味がある」

 文字通り、ポエムで押し切ろうとした陪審員と、真理を明らかにしようとした陪審員が激突する。

 会議でただ声がでかいだけの人間って、良くいるw